社内のLinuxファイルサーバとSFTPが使えるという親和性の良さという観点からVG-Syncを採用しました。
Vol.30
有限会社 伊唐千葉県市原市
統括 杉山 恵 様
情報システム部 杉山 恵太 様
御社の会社の概要などをお聞かせ頂けますでしょうか。
メインはプラントの工事会社なのですが、それに加えて、私と弟が情報システム工学を専攻していた関係で、父の会社である伊唐で情報部門を担当しています。 元々はあるソフトハウスで働いていまして、父が会社を作った時に、そのソフトハウスからも仕事を発注して頂くような形で、父の会社のほうに移ってきました。それで、そのソフトハウスからの仕事も受けつつ、今の会社では、頼まれるとExcelファイルを作ったりとか、パソコンのトラブル対応などをしています。父の会社に合流してから7~8年ぐらいになります。
では伊唐様の会社自体はお父様が創業されたんですか?
はい。私はサラリーマンを53歳ぐらいまでやっておりました。日本全国にある、工場建設とそのメンテナンスを行う会社ですが。私がこちらに転勤してきて、平成12年あたりに退職してからその会社の仕事をメインに工事会社を創業しました。その頃は息子達はもう社会に出ていましたが、彼らは高校・大学で情報関係を専攻してきましたから、私の工事会社を継ぐつもりはなかったので、情報部門を立ち上げました。
建設工事会社は概してIT化は進んでいないのですが、いわゆるゼネコンクラスはIT化が進んでいます。せいぜい年商5~6億円程度までの会社というのは、ほとんど昔ながらの工事会社で、もう手作業ですよね。そういったところを念頭において、私の工事会社の関係のソフトを作ってもらいました。パイプラインを大規模に敷設する時には、いっぺんに敷設するんじゃなくて、プレハブといって、ジグソーパズルみたいに分割されたピースを敷設していくわけですよ。そのあたりの管理もずさんだったんですが、そのピースを管理するソフトです。まだ実際に使い始めたばかりで、そのソフトも小さな工事には必要ないわけですね。だから常にそのソフトを使うわけではありません。ただ、そのソフトはお客様にも協力してもらって作っていったもので、かなり有効という評価は頂いています。
情報システム部としては、どのような仕事内容か教えて頂けますか?
社内に関しては、プレハブピースを管理するソフトとか作ることもあれば、パソコンに詳しくない方が多いので、パソコンが動かなくなったとか印刷できなくなったとか言われた時にサポートしたりしています。例えば、工場を作る度に、毎回常設事務所を作っていくわけじゃなくて、その都度、臨時使用の事務所を作っていくわけですね。そこでコピー機とパソコンとの間の接続とか、インターネットの接続とかが必要になってくるわけですが、特に現場の工事業者は年輩の方が多いので、そういったことも行うのが難しいんですよね。導入時にはメーカーさんがやってくれるみたいですけれど、その後、結構、人の出入りが多いみたいで、1人追加されたんだけどそれに伴って必要な設定をしてほしいとか、そういうことが結構ありますね。
外部のお仕事としては、どんなことがありますか?
今やっているのが東京にあるネットの通信販売の会社で、その会社とはもう3~4年ぐらいのお付き合いがあります。今までExcelファイルで受注情報を発注までも含めて管理していたのですが、ちょっと規模が大きくなってきたのでと言われて、最初はAccessで対応しました。そして、その後にJava等を使ったシステム化をするというようなことを今やっています。あとは、その会社様向けに、顧客管理のサポート向けとして、どんな商品を購入したかとか、商品を購入したお客様の情報を管理したりとかへの対応を行っています。今はもっぱらそのあたりが外部のお仕事としてはメインになります。そのネットショップ関連のシステム開発をしっかり請け負ってやっている感じです。
基本的に使われるコンピュータの言語としてはJavaが中心ですか?
Javaが中心ですね。一応使うだけなら、基本的にオブジェクト指向言語なら使えるかなと思いますが、実際に経験があるのは、C、C++、C#です。
Webシステムとして作っておられるということですか?
今はそうですね。ただ、以前の会社ではスタンドアロンでもやったことはありますね。あと、今回の通信販売のお客様の場合は、Accessを使ったりもしています。
社内業務も多いのでしょうか?
社内業務もあります。例えば工程管理のソフトを組んでくれないかとか、スケジュール表とか、本当は身分証明書とか作業員名簿を必ずひと仕事する時には作らないといけないんですけど、作業員名簿や資格書、健康診断書とかを一発で出るようにできないかとか。そうなると、健康診断書は1年に1回、資格書とかも3年あるいは5年に1回は提出しないといけないんですけど、期限が切れるのを忘れるんですよね。そういったものについて期限が切れますよと自動的に出るようにできないかとか、そういった社内の要望を受けて開発を行ったりしています。
外部向けのお仕事のほうが、どちらかいうと売上も多いということですか?
そうですね。かなり金額が違いますね。
今回、VG-Syncは、どのあたりで活躍しているのかなどお聞かせ頂けますでしょうか?
元々はお客様のシステムがらみだったのですが、データを管理するので、消えてしまうと困るということで、お客様のデータのバックアップ目的ということで良さそうなものがないか探していた時にVG-Syncを見つけました。VG-Syncを採用した決め手としては、同様なサービスをいろいろ比較検討したんですけど、値段と、SFTPクライアントが使えるということですね。現状はバックアップ目的のみでVG-Syncを使っています。弊社では社内用でLinuxのファイルサーバをたてているのですけれど、そのサーバ内のデータを定期的に圧縮した上でVG-Syncに転送しています。Linuxのファイルサーバを使っていて、VG-SyncでSFTPプロトコルが使えるので、運用環境として親和性が良いということで採用しました。実際にバックアップで使う時は、VG-Syncのマニュアルに書かれているスクリプトと同じように書きましたらすんなりできましたね。
バックアップするデータ量的にはどの程度ですか?
データ量としては1GBもないですね。そのバックアップ処理を毎日行います。そのぐらいのデータ量では2~3分ぐらいで処理は終わります。バックアップスピードについても、すぐに処理が終わる感じなので、特に問題ないですね。
今後、御社のビジネスをどんな方向に進めていこうと思っていらっしゃるか教えて頂けますか?
どちらかというと、大きいシステムというよりも、今までExcelでやっていた、あるいはAccessを使っていたものを、部門内でシステム化したりとか、今まで手作業でやっていたものを何とかできないかとか、これまでの業務をもっと便利にできるような、そんな感じのシステムを作りたいと思っています。
ビジネスとしては、工事関係の人達、作ったソフトを使う立場よりも、そういった人達を管理する、そのソフトの購入を決済する権限の人達の理解を得られるといいですね。そういったところをうまくクリアできればソフト関係の仕事もかなりあると思います。彼らはメインの仕事があるでしょうから、なかなかソフト購入についての検討とか、そちらのほうへの頭の切り替えが容易ではないのでしょうね。あとは弊社には営業職というのがまだいないので、試しに販売代理店を募集してみたんですよ。そうしたら、そういったところから仕事の依頼があって、今度はそういった依頼の中から仕事を逆に選べるような形になってきました。そういった状況の中で、仕事が面白いとか面白くないと言うのはどうかとは思いますが、いろいろ経験していって、大きな仕事をとって売上をあげるというよりも、自分達のやりたい仕事が出てくればよいと思っています。
今後こういうソフトを作りたいとかいうのはありますか?
現場の人達の様子が直接見えますので、そういった環境はソフト作りには役に立ちます。一番びっくりしたのは、ここまで機能を削っても難しいと言われてしまうのか、ということですね。最終的にはクリック1つで全部動くようにしましたけど。
でも本当は情報システムの仕事というのは、例えば工事や流通とかという現場とは離れてますから、少なくとも工事系の現場が身近にあるというのは、現場に近い分野のソフトを作るのが面白いかもしれないですね。