日本製のオンラインストレージでは唯一英語インターフェースがあることがVG-Sync選定の決め手でした。
Vol.39
SHコンサルティング株式会社東京都港区
副社長 沼波 有里 様
http://swhwc.com/御社のビジネスの概要を教えて頂けますでしょうか。
全体的には、組込システムの制御ソフト側を担当するソフト部隊と、組込システムでハード側、FPGAあるいはシステムオンチップ(SoC)、そういうLSIの論理設計を担当するハード部隊がおります。私はソフト部隊を見させて頂いています。いろいろな電子機器の中身を制御している部品ですので、基本的にパソコン以外の電子機器に採用されています。実際にVG-Syncオンラインストレージを使わせて頂いているのは、今のところは我々ソフト部隊となります。
御社の創業はいつ頃でしょうか。
2013年です。弊社の社長の昔からの友人がアメリカのルネサスエレクトロニクスに勤めた後にアメリカで自分の会社を始めたのですが、日本のお客様にいろいろお話しを伺いましたところ、日本に会社がないと日本での商売は難しいですよと言われたそうです。そこで弊社の社長がその友人の方から相談を受けて、一緒にやろうということで会社を始めました。さまざまな電子機器の内部の制御ソフト、制御チップの論理設計をやっていくという方向で、今、少しずつ取引先を増やそうとしています。このアメリカの会社は弊社の親会社になります。そこから日本に資本がきまして、弊社の社長や弊社で働いている者も少し資本を出してという形で会社を経営しています。
アメリカの会社さんは御社のように設計をされているのでしょうか?
設計はやっていないです。マーケティングや市場調査、顧客開拓など、そういった仕事になります。ですから、日本で開発したものを今後そのアメリカの会社経由で世界に売ることをいろいろ考えています。あるいはアメリカのお客様からソフトや論理設計の注文を頂いて、日本で開発を行う。それからベトナムにも2年前に作った会社があり、そこにもソフトのエンジニアや論理設計のエンジニアがいますので、私が日本でいろいろコーディネーションしてそういった開発業務をベトナムに流してその結果をまた日本に戻してもらい、それを例えばアメリカのお客様であればアメリカに戻すという感じですね。今のところベトナムはまだソフト系で、これからハードウェアの論理設計もやろうと思っています。ソフトウェアとかに関して非常に進んでいるアメリカと、日本の緻密な設計、それからベトナムでのたくさんのエンジニアを使って、この3つの組み合わせで割と安い値段でお客様に対応するということを目指しています。
お客様等の新規獲得については過去の人脈が活きたということでしょうか?
そうですね。今のところは主にアメリカのお客様の比重がかなり大きいですね。アメリカのお客様から2つほど大きなご注文を頂いています。日本でもいろいろお客様からご注文を頂いている状況です。
ハードウェアの設計後の製造のほうはどうされているのですか?
FPGAあるいはSoCのチップ設計をしているのですが、その製造については、現状では例えば台湾の会社と協力してウェハーを作るという形になります。今後も半導体の製造は協力会社にお願いする形になります。
経験者の方達だけが集まって今の事業を行っているのでしょうか?
そうです。LSIの設計者も、いろいろプロセッサの設計をやっていたベテランの人達に集まってもらっています。
製品はお客様からの依頼で設計する以外に自社で企画することもありますか?
ソフトウェアについては、IoT用の自社開発の基盤システムを開発しています。それが今後、製品ラインナップとして世に出ていくことになっています。それから論理設計のほうでは、お客様側で自分の周辺回路と組み合わせて自分のチップに入れて頂くための論理設計を売ることを今考えています。
今の時代は回路設計ができる会社が少なくなっていると思いますので引き合いも多いですよね。
その通りだと思います。当社にはベテランの論理設計者が多いので、プロセッサ、DSPなどの開発の注文を頂いています。このような受託開発とは別に、独自プロセッサのIPの開発も行っています。
世界を拠点にしてビジネスをされていらっしゃる中で、VG-Sync2を利用しようと思ったきっかけは何ですか。
いろいろと私なりに調べたんですけど、まず一番惹かれたのは無償版があるということですね。使用可能容量はそんなに大きくないんですけどとりあえず置ける。それが弊社専用に準備して頂けるというのがありがたかったです。あと、お客様とやりとりするにあたってファイル転送機能が必要になりまして、ここからダウンロードしてくださいというガイドをするにしても、日本製の他のオンラインストレージサービスでは日本語ユーザインターフェースのみだったんですが、VG-Sync2は唯一英語インターフェースOKとなっていたのでそこに惹かれました。
実際にVG-Sync2を主に使用させて頂いたのがベトナムとのファイルのやりとりでした。例えば開発環境の1GB弱の結構大きなファイルをこちら側からアップロードしてベトナム側でダウンロードするといったことに、ベトナムのほうは通信速度が結構遅くて、弊社が契約しているホームページのサーバ経由ではすごく時間がかかったんですね。ところがVG-Sync2を使ったところそんなに時間がかからなかったんです。ですので、通信速度がベトナムで良かったということも惹かれた点ですね。
主にやりとりされるファイルの中身というのはどんなものが多いんでしょうか。
例えば日本やアメリカのお客様からこういうシステムで開発してくれということで、インストーラを送ってこられるんです。そういったインストーラをベトナム側にCDを送付するとかそういうことをしたくなくて、かなり大きなサイズになるものもあるんですが、主にそういったものをベトナム側に渡すのに使っています。
セキュリティ面は何を一番気にしていらっしゃいますか。
私はセキュリティ関連はあまり詳しくないんですけど、例えば弊社が現在契約しているホームページのサーバをまずは使おうと思ったんですけど、ハッキングなどが心配だった面もあり、自分でその辺を防ぐのは限界があるなとは思っていました。それでVG-Syncのホームページを拝見したところ、あちこちでセキュリティ面について謳っていたので安全だと思い、使わせて頂くことにしました。
今後のビジネスの展開と、その中でのVG-Sync2の活用方法について教えて頂けますか?
今は受託でお客様から頂いている仕事がメインなのですが、先ほどお話ししましたように、IoTのシステムやプロセッサの独自開発なども今始めているわけです。そして将来的にはやはりそういった自社開発に注力していきたいです。そうなると人数も増えますし、拠点も増えます。現在、弊社が使わせて頂いているVG-Sync2サーバは、ベトナムと大阪と東京の拠点のやりとりでしか使ってないんですけど、例えばアメリカとかベトナム以外の他の地域とかもう少し拠点が増えて、もっと大きく使わせて頂いてもう今の容量では足りないと言えるようになりたいですね。