県や国に大きなサイズのデータを送る時に、VG-Syncを使っています。
Vol.45
有限会社白神アグリサービス青森県西津軽郡鯵ヶ沢町
代表取締役 木村 農也 様
http://www.kazemaru-nojo.com/御社の業務の概要を教えて頂けますでしょうか。
農業生産法人として、田んぼや大豆、小麦とかの作業受託をメインに行っている会社です。従業員が8名、あと経営陣ですね。作業受託の中には水稲やりんごなども含まれています。それと、りんごとかを使った加工品を少々作って販売しています。農業法人ってあまりなじみがないかと思いますが、今は結構増えてきています。
この事業はどれくらい前からやっていらっしゃるんですか。
農業法人化したのは平成16年です。その頃からちらほら他にもそういった法人さんができてきているんじゃないでしょうか。ここ14~15年くらいで少しずつ増えてきて、最近は農業法人は結構あって、田んぼだけを管理する会社などもあります。
それは国の方針の変更などがあったのでしょうか。
国が農業法人化を推進しているというのと、農業の担い手が不足していたりするので、それを集団化しながら一括管理できるようにするためですね。農地をほとんどは借り上げて管理する形になっています。うちは現在のところ、今の体制でできるぎりぎりのところでやっています。
最初はどれくらいの広さから始めたんですか。
任意の組合で既に組織化したものがありまして、それを農業法人化した形ですが、当時、大豆や小麦の作付面積は120~130町歩(ヘクタール)ぐらいあって多かったんですよ。今は大豆と小麦の作付面積でいうと70町歩ぐらいで、以前よりちょっと減った感じです。今は国内で主食用の米が余っているので、転作として大豆や小麦だけじゃなくて、その他に飼料米を作りなさいというのが国で推し進められているので、その分が7町歩ぐらいありますが、全体の作付面積はやはり少し減っています。
作付面積が減っている理由というのは、少し離れた場所の中山間地の耕作不適作地でも当時は無理やりやっていたんですよ。それを平成20年ぐらいまで頑張ってやっていたんですが、やはり無理だと判断しました。時間的な余裕もなくなったし、あまりにも石とか耕作するのに邪魔なものがあり過ぎる、田んぼが小さい、猿とかの獣害もあったりする、という理由から、25町歩ぐらいをやめさせて頂きました。作業の効率化を図ったということですね。
今は大豆と小麦が中心ということでしょうか。
小麦はもう少しで収穫の時期になります。それで秋に普通は播種(種まき)して、雪の下でひと冬越して、7月の初旬から中旬にかけて収穫になるんです。秋まき小麦ですね。大豆はついこの間に終わったんですけど、6月いっぱいぐらいずっと播種して、10月中旬ぐらいから収穫に入ります。つまり、大豆と小麦では畑もまったく違うわけです。作付面積の割合的には大豆のほうが多くて、今年は大豆が50町歩ぐらいです。
冬に加工品の業務をされているのですか。
そちらのほうも冬に集中して動くというのはあります。それとりんごも管理しているので、りんごの剪定(せんてい)をひと冬かけながらやっていく形になります。会社の他に、実家の個人経営があるので、そちらの管理を全てうちの会社で受けてる感じになります。そのりんごの管理面積、剪定する面積が10町歩ちょっとですね。結構多いんです。加工専用と生食用で半々ぐらいの割合になります。ですので、1年中、何か動いてるような感じですね。
他の関連会社は何をされているのでしょうか。
主にやっているのは、薪(まき)を作って販売している会社なんですが、以前は例えば、うちの会社でりんごの木を伐採した材木を回収してチップ化したり、町の電気屋さんが電線の支障木を伐採したものを回収してチップ化して燃料として売っていたんです。ただ、その燃料として売っていた先の会社がチップボイラーの業務をやめたので、今は主に薪だけを作って販売している形です。最近特に趣味的というか、鋳物のどっしりしたインテリアにもなるような、高級な薪ストーブユーザーがいまして意外と薪の需要が出るんです。住宅メーカーも薪ストーブ付きで住宅を売ったりしていますよ。
加工品にはどんなものがありますか。
りんごをそのままカットして乾燥させたものがあります。干しりんごですね。そのまま噛んでいくと自然とりんごの味がしてくるようなものです。弊社が自社で加工しているものはこれだけですが、ジャムを委託加工していて、生だとちょっと渋いとかすっぱいとかで生食には向かないりんごなんですが、果肉まで赤いりんごなのでジャムとして加工しても赤い色をしています。その他にブルーベリーとラズベリーのジャムもあります。
売上の中心は何になるのでしょうか。
雑収入という点でいうと国の補助金や奨励金が一番なのがやっぱり大豆と小麦になります。おそらくこの先も大豆と小麦は国内生産量が低いので、その点でいえば、これからも国の援助があって進んでいくだろうと思っています。干しりんごの加工品もそれなりに売上があるんですけどね。
御社でのコンピュータの使われ方について教えて頂けますか。
今、パソコンは5台ぐらい使ってるんですが、まず作業日誌的な部分で使います。それと、転作や自分の畑のほ場リストでいつ何をやったか記録したり、作付けする作物やその作付面積が毎年少しずつ変動があるので、どこの農地(ほ場)に何を作付けしたかというのをパソコンを使って管理します。農地の管理のためにパソコンを使うということですね。その他、請求書とかの書類の管理等にもパソコンを使います。あとは、国や県や町から提出してくれというものがいろいろエクセルやワードのデータでくるので、それに記入して送り返すのにもパソコンはなくてはならないものです。
VG-Syncを使おうと思われたきっかけを教えて頂けますか。
普段から各々で海外製も含めて何らかのクラウドストレージは使っていて、それを共有しようと思えばできるんですけど、事務所でなくても出先ででもとりあえず自分だけ使えればいいかなという感覚で使っていたようなんですが、これを機会にVG-Syncを使って社員全体で共有できる環境ができたらいいかなと思っています。あと、VG-Syncはセキュリティがしっかりしていると聞き、海外で管理されているサービスを使うのはやっぱり不安という話しもありましたので、会社として利用するクラウドストレージサービスの整理や見直しについて改めて考えたというのは少しありました。
社員間で共有されようとしていたものとはどんなものですか。
外の現場での作業時に、肥料や資材をほ場に投入する際に、その面積がどれくらいかを知った上で決まった量を入れたいので、今までは皆、そういった情報をファイル(文具)で持ち歩いて見ながら作業していました。ただそういったことをするのがおっくうなのと、やってるうちにだんだんこのくらいだろうとわかってくるので、そういうファイルを特に持ち歩かなくなるんですが、たまにそういったほ場データを確認したくなった時に、オンラインストレージ内に置いておいたデータを使っていたことも以前はありました。今でいえば、エクセルやワードのデータをどうしても事務所から離れた場所で開かなければいけない場合もあるので、そういう時にはやっぱりオンラインストレージは必要になりますね。ですので、今のVG-Syncの使われ方としては、ファイル共有みたいな形ですね。
他社さんとのデータのやりとりとかはあるんでしょうか。
たまにPDFファイルで送ることもあります。紙でわざわざ持ってこなくてもいいよということで、スキャンしたデータを送ることで済ませられる時も結構増えてきました。
VG-Syncが便利だなと思ったこととかありますか。
大きさを気にせずにデータを作って送れるっていうのがとても楽ですね。メール添付だと、添付するファイルのサイズに制限がありますから。送りたい資料に貼り付ける写真とかもデータが大きい時もありますし。データの送り先としては、県の方や国の方だったりします。今のところは送るほうがメインで、受け取りで使ったことはまだないです。
今後のご計画等々、何かありましたら教えて頂きたいです。
とりあえず頑張って今の事業を維持していくことが基本ですが、もう少し加工品の種類を増やしたいというのはちょっと考えています。確かに加工品って1つ当たると急に売れ出したりするのかもしれませんが、大手のお菓子屋さんとかでも、何万という数のアイデアの中から何個ヒットするかというとほんの一握りの部分でしかないものを、うちらのような小さい会社が無い知恵絞っていろいろ考えたところでなかなかそんなにヒットするものではないと思いますから、なかなか難しいとは思います。メインはやっぱり農場の管理なので、そちらのほうで良いものをちゃんと作っていく、安全に作っていくというのを維持しながら、その先に何があるかわかりませんが、国とかの農政の動きに常に左右されるので、どんどん変化に対応していかなければいけません。昔のままの考え方でかたくなにこのままでいいんだというんじゃなくて、臨機応変にそれにちゃんと乗っかっていく術を常に持つようにしないと、乗り遅れる可能性が大いにあるので、そこは重視していかないといけないなというのはありますね。