仮想マシンまるごと利用の自社専用オンラインストレージ
オンラインストレージに自社のデータを預けるということは、自分の情報を他人に預けるのと同じこと。ではなぜ世の中にオンラインストレージが数多く存在するのでしょうか。
普及の発端は災害対策
元々は多くの様々なITサービスと同様に既に世の中に存在していたオンラインストレージ。それが日本のコンピュータ社会での大規模災害への対策である重要データのバックアップ(退避)先としても注目されていきます。
個人情報が入ったUSBメモリ紛失事故の顕在化
ちょっとしたデータのやりとりの便利さから、持ち運びやすさも後押ししてすっかり普及したUSBメモリ。ところが、その持ち運びやすさがかえって紛失/盗難事故を引き起こしている感があります。そこへ、個人情報保護が世間的に重視されてきた状況がそういった事故等発生の問題視と防止策追求に拍車をかけます。
ファイル転送サービスもオンラインストレージ
オンラインストレージというとインターネット上のデータの保管庫をイメージしますが、今ではファイル転送サービスもオンラインストレージサービスとして認識されています。大容量ファイルをCDなどのメディアに焼かずにすぐに送るためには、自社でFTPサーバをたてるなどの環境準備が必要だったため、今では多くの企業がそういったファイル転送サービスを活用していることでしょう。そこへ、USBメモリ紛失事故等への対策としてもファイル転送サービスの利用が着目されました。つまり、大容量ファイルをすぐに送りたいからという手段の他に、データ紛失/盗難防止のためにもファイル転送サービスが今では利用されています。
暗号化オンラインストレージサービス
自社の施設外のオンラインストレージに、事業継続に必要最低限のデータを選別してバックアップされたデータは、災害時の施設倒壊等によるデータ消失からは逃れたとしても、一旦手元から離れたそのデータの安全の確保が懸念されていないでしょうか。USBメモリ等のメディアを使わずにファイル転送サービスを使えば、悪意ある者からのデータ盗難を防げたことになるでしょうか。そういった懸念を踏まえてか、世の中のオンラインストレージサービスでは、データ保存領域やデータ転送の通信路に暗号化を実装するものが増えてきました。
暗号化オンラインストレージ VG-Sync
では、オンラインストレージのしくみ全体に暗号化が実装されれば、それで事足りるでしょうか。VG-Syncでは、お客様ごとにオンラインストレージご利用環境を論理的に分離しています(仮想マシンまるごとお貸し出し)。そうすることで、万が一の何らかの障害の際に、オンラインストレージサービス全体に影響する要素を1つでも減らせればと考えています。
フォルダ単位ですぐにご利用可能という他のオンラインストレージは、複数のご利用社を同じ論理領域で使わせている可能性もあります。なぜそう考えるのか。VG-Syncは、VG-Sync2 に世代替わりしつつサービス提供を継続していく年月の中でそのような実装への変更について検討した時期があったからです。そのほうが新機能実装やメンテナンス等の手間やコストが削減できるからです。VG-Syncはファイル転送等の何かの機能に特化したサービスではなく、バックアップ/ファイル転送/オンラインワークスペース(インターネット上の共有フォルダ)という、少なくとも3つの側面を持っているので、それぞれの側面で課題や要望もあります。それでも、仮想マシンまるごと利用の自社専用オンラインストレージというご提供形態を続けるのは、どんなに考慮しても遭遇するかもしれないリスクに対しての、セキュリティ対策重視の1つの現れといえます。